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ご感想:フードアグレッシブ(食物関連性攻撃行動)がある柴犬

つじ
つじ

大阪で活動している認定ドッグビヘイビアリストです


南イリノイ大学で犬猫の基礎栄養学~臨床栄養学を学び、総合栄養食の手作り食レシピ作成も行っています。

症例プロフィール

犬種:柴犬
年齢:11カ月
性別:雌(不妊手術済み)

経緯

・フードアグレッシブ(食物関連性攻撃行動)
・排泄の失敗
・過剰に興奮して歯を当てる
・同居している子供に対しての攻撃行動(唸る、咬む素振り)
・散歩でのリードの引っ張り

ハイパーアクティブで、家の中でも外でも常に興奮状態です。

子犬の頃に不運な事故により足を骨折してしまい、社会化期は家の中で過ごしていました。(現在は、完治)

生後3か月頃から、フードアグレッシブ(食前~食後の警戒心/攻撃行動)がありました。

同居している小学生の子ども達に対しての攻撃行動(唸る、噛むなど)にも悩んでいました。

ほかにも、以前まではトイレトレーで排泄出来ていたのが、最近は排泄を失敗するようになっています。

どうしたらよいか分からず悩んだ末に、1人目の犬の訓練士に相談したところ「噛み犬気質がある柴犬は改善できるかどうか分からない。子犬の頃にトレーニングすればなんとかなったかもしれない。」と言われ、断られてしまいました。

諦めきれずに、2人目の出張ドッグトレーナーに依頼したところ、食器を使わなければフードアグレッシブは解決できるとアドバイス頂きました。

そこで、フードはばらまいてあげるようにしました。すると、次は地面にばら撒いてるフードに対してフードアグレッシブが出始めてしましました。

現在は、危険性を考えて、先に愛犬をケージの中に誘導して、閉じ込めてからフードをケージ内にばら撒いてあげるようにしています。

カウンセリングの内容

骨折により子犬の頃から、散歩にほとんど行けず、犬や人との交流がほとんど無かったことが影響して、セルフコントロールが難しいようであった。

また、かかりつけの獣医師の指導により、「犬は運動はさせすぎないほうが良い」というアドバイスに基づいて、散歩時間を短めに設定し、ケージの中に犬を入れる時間も長かった。

まずは、ケージから出す時間を増やし、犬自身で選択できる環境/出来事を増やすようにする。

また、散歩はロングリードを積極的に使用して、「匂い嗅ぎ」を重視しながら、屋外での興奮レベルを下げれるよう調整する。

フードアグレッシブについては、取り急ぎ家族の中で一番慣れている人限定で練習を行い、練習期間中はその人以外は犬の食中に立ち会わないように調整する。

初回では、フードを手に持った状態で犬に与える様子からは、警戒心はさほど高くなかったことから、比較的早く変化が起きることが想定できる。
スモールステップでエラーが起きないよう慎重にトレーニングを進めて行く。

また、アレルギー反応が起きているとのことであったため、食事調整も行う。

トイレトレーニングは子犬の頃に実施したとのことであったため、犬はトイレトレーで排泄することは理解している可能性が高い。

ただし、トイレトレーがケージの中にあり、また犬をケージに閉じ込める時間が長かった。

そのため、ケージの嫌悪感により、ケージに入りたがらず、結果的に排泄の失敗が起きると考え、ケージのイメージ改善の練習を行う。

ご感想

柴犬、雌、11ヶ月のときに

・フードアグレッシブでの本気噛み
・興奮度の高さ
・室内トイレトレーニング
・社会化期に骨折して治療の為ケージ生活になり社会化が出来なかった

以上のような沢山悩みがあったので相談しました。

以前に2件のトレーナーさんにお願いしたのですが、どちらも根本的解決には繋がらないと判断して、最後の頼みの綱でドッグビヘイビアリストの辻先生に相談しました。

初回カウンセリングは3時間あり、すぐさま室内トイレ出来る様になりました。

フードアグレッシブは、大人に対しては早い段階で克服し、現在は子供もほとんど問題なしです。

また、攻撃だと思っていた行動が先生に動画を見て頂くと攻撃ではなく遊びたい気持ちの興奮だったと知ったときはビックリしました!

現在は興奮ジャレ噛みも、すぐに落ち着かせ切り替える事が出来るようになりました。

これは、犬と人間での小さな掛け違いが大きな問題になる事があるんだと痛感致しました。

しかし掛け直す事は出来るともわかった出来事でした。

辻先生にお願いして特に良かった点は、問題行動だけで無く犬に関しての質問全て答えてくださった事が、より犬への理解と私の自信に繋がりました。

理解と自信に繋がる事によって余裕が生まれ愛犬の小梅の犬生に必要な事が、更に見えてきました。

うまくいかないときはすぐに先生にLINEをして、ステップを下げた簡単なやり方だったり、やり方の間違えている部分を教えて頂けるのもありがたいです。

先生がお手本を見せてくれると、小梅には出来ないと思っていた事がすぐに出来る小梅の姿を見れたのも私の目標を作りやすかったです。

相談内容とは違う事も指導される事もありますが、全て犬の命を守る為に必ず必要なトレーニングだと思いました。

噛みつき等の問題にばかり注目して命を守る為に必要な事が見えて無かったです。

次から次へと相談しているので現在半年程先生にご指導頂いてますが、一進一退しながらですが出来るようになった事。

・フードアグレッシブ克服
・室内トイレ
・ハナセ
・呼び戻し
・散歩時等の小梅自身コントロール出来ないパニックを落ち着かせる事
・リード付け外しの抵抗改善
・ブラッシング等

何より最近では小梅から子供達に歩み寄る姿も見られるのが嬉しいです。

総括

カウンセリング開始から、最初は3週間ごとにお伺いし、行動が安定し始めてからは、経過観察として半年に1回程のペースに変更する。

当初の一番の改善希望であったフードアグレッシブに関しては、約3カ月でほとんど問題が無くなった。同様に他の問題もほとんど解消する。

犬についてもっと沢山のことを学びたいといった非常に嬉しいご要望から、引き続き半年に約1回のペースでお伺いしている。

トレーニング開始から終了まで、練習中に咬む行動は一度もなかった。

ただし、アクシデントがあったことで同居している子供に対して威嚇行動があったことから、今後の予防について伝える。

ご飯に関しては、質の良いドライフードを何種類か試すもアレルギー反応は変わらなかったことから、手作り食(総合栄養食)に切り替えて、調整する。

そこで、やっとアレルギー反応が落ち着き、それに伴い日常の興奮も少し下がったとのこと。

アレルギー反応による不快感や痒みなどから、興奮レベルが上がりやすくなっていたことが想定できる。